『「衝動」に支配される世界』 ‐我慢しない消費者が社会を食いつくす
著 者:ポール・ロバーツ
訳 者:東方 雅美
出版社:ダイヤモンド社
発 行:2015/03
定 価:2,400円(税別)
訳 者:東方 雅美
出版社:ダイヤモンド社
発 行:2015/03
定 価:2,400円(税別)
【目 次】
1.この社会の主役は誰なのか
2.壊れかけた社会の断面
3.再びつながり合う社会へ
1.この社会の主役は誰なのか
2.壊れかけた社会の断面
3.再びつながり合う社会へ





人間の意思決定は大きく分けて二つの脳内プロセスのせめぎ合いによるという。前頭前皮質という比較的新しい脳の部位は、抽象的な思考や、ややこしい問題を解決することを担当する。比較的古い辺縁系という部位は、食欲や性欲など本能的なアプローチを司る。
辺縁系の命令は、前頭前皮質によって抑えられる。だが、近年はデジタル化の進行によりあらゆるシステムが効率化され、食べたい料理、楽しみたい娯楽など、その気になれば即座に欲望が満たされる。そのため、前頭前皮質による抑制が効かなくなっているのだ。
著者は、常に最速で最大のリターンをめざす経済戦略に疑問を呈することから始めるべきだという。それは「効率」そのものを疑うことではない。効率を最高の美徳とする信念やイデオロギーを批判的に見るということだ。
必要なのは、自国の経済が向かう方向を、長期的視点と短期的視点のバランスをとりながら見定めること。ある程度の規制を設けた経済と、自己の利益を超えて先を見通す、もしくは見通そうと努力する国民の組み合わせこそが、インパルス・ソサエティを脱却し、真に持続可能な社会をつくるために必要不可欠なのだ。