『寺院消滅』 ‐失われる「地方」と「宗教」
著 者:鵜飼 秀徳
出版社:日経BP社
発 行:2015/05
定 価:1,600円(税別)
出版社:日経BP社
発 行:2015/05
定 価:1,600円(税別)
【目次】
1.地方から寺と墓が消える
2.住職たちの挑戦
3.宗教崩壊の歴史を振り返る
4.仏教教団の調査報告
1.地方から寺と墓が消える
2.住職たちの挑戦
3.宗教崩壊の歴史を振り返る
4.仏教教団の調査報告





地方における寺院の衰退の主な原因は、人口減少だ。國學院大学神道文化学部長の石井研士教授は、2014年5月に日本創生会議が発表した、いわゆる「増田レポート」で指摘されている「消滅可能性都市」に宗教法人がどのくらい含まれるかを試算。その結果全法人の35.6%にあたる62,971法人が「消滅」するかもしれないことがわかった。つまり、約25年後には、日本の寺は現在の3分の2程度になってしまうのだ。
「寺院消滅」は実はもっと深刻だ。都市部の寺院にも危機は確実に忍び寄っているからだ。現在、全国に住職がおらず後継者も見つからない「無住寺院」は約2万ほど存在すると言われている。
東京都国立市にある日蓮宗・一妙寺の33歳の住職・赤澤貞槙さんは、サラリーマン家庭の出身。中学3年の時に仏道に入る決心をし、日蓮宗の開教制度を利用して寺を開いた。
赤澤住職は「感動的な葬儀」を行うことで評判になった。仏事こそが一般社会と僧侶をつなぐ大事な接点ととらえ、葬儀に、心のこもったさまざまな工夫をこらした。そんな赤澤さんの気持ちが通じ、葬儀に感動した住民たちから高い信頼を得られた。そして貯まったお布施を元手に、自前の寺を開くことに成功したのだ。