2015年度第4回「デジタル公民館まっさき」活動

2015年度第4回「デジタル公民館まっさき」活動

日時2015年11月 7日(土)~8日(日)

会場[主な活動場所] 大船渡市末崎地区公民館(ふるさとセンター)

セミナーパンフレット アンケート結果
大船渡市末崎町地区公民館を拠点に、公民館に期待される自治活動、社会教育活動を地元のみなさんとKK2が募集する活動メンバーが協働で実施することとし、学習活動、地域活動、土曜日等の子ども対応活動などに取り組みます。

参加いただく活動スタッフには、毎回、住民の方々のICT活用を支援していただきます。パソコンOSのバージョンアップ、インターネット・ブラウザの設定、名簿づくり、チラシづくり、表計算、メールやフェイスブックを覚えたいなど、パソコン・インターネットのお困りごとの相談に対応いただきます。同時にまっさきの暮らしや文化に触れる場としてフェース・ツー・フェースのコミュニケーションの場でもあります。

出演者紹介

  • 「パソコン・インターネットよろず相談活動」では、とくにエクセルを活用した名簿づくりや名簿の編集、見積書の作成、グラフの作成などの支援を計画しています。また、今回、活動日程(7日・8日)が末崎町民文化祭(6日・7日・8日)と重なりますので、絵画・書道・陶芸・手芸・写真・生花・盆栽・茶道など趣味・文化グループ等が出展する体育館に、「デジタル公民館」活動と「まっさき竹とんぼグループ」のPRブースを設け、文化祭に訪れた方や展示グループ、隣の中学校体育館で行われる舞踏・合唱・合奏・演劇・大正琴・保育園児・小中学校生徒の舞台発表グループにご協力いただき、昨年に続いて「まちおもいフォト」の撮影を行います。
    今回、文化祭に合わせ「まっさきふれあい映画館」として、戦後の日本復興期の地域社会の様子を記録し全国の校庭などで夜間上映された「公民館」「スクエア・ダンスを踊ろう」「格子なき図書館」などの映画を上映し、戦後復興期を振り返りながら、これからの超高齢化社会に向けた地域づくりについて、地域の人と活動スタッフが一緒に語り学ぶ場にしたいと思います。
    *詳細はパンフレットをご覧ください。

2015年度第4回「デジタル公民館まっさき」活動 詳細情報

日程 2015年11月 7日(土)~8日(日)
募集人員 アソシエイト(~34歳)、リーダー(35~49歳)、シニア(50歳~)の各世代 男女10名程度を予定しています。(ただし、状況によって人数は増減する場合もあります。)
活動スタッフ(参加者)について 活動スタッフは「デジタル公民館まっさき」活動の趣旨・目的・活動内容に賛同し、事前打合せへの出席、役割分担、活動スタッフアンケートの提出等を含め、スケジュールに沿った行動・協力をしていただくことが条件となります。下記参加心得をご参照ください。
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「学びを通じた被災地の地域コミュニティ再生事業」(復興庁・文部科学省委託)
「デジタル公民館まっさき」活動 参加心得

本プログラムは公的資金を活用した活動です。
地域の人と活動メンバーが共に考え、学ぶことで、コミュニティ再生につなげていくこ
参加費 ボランティア保険代(未加入の方:1,000円 天災Bプラン加入必須、自己負担)
※事前説明会の際に東京都社会福祉協議会のボランティア保険への加入手続きを代行します。
(加入日から2016年3月末まで有効です。)
※現地までの交通費(新幹線)、レンタカー費、宿泊費は主催者負担とします。
事前ミーティング 日時:平成27年 11月4日(水)19:00~20:30
会場:霞が関ナレッジスクエア「ラウンジ」

役割分担、新幹線往復チケット配布、未加入者ボランティア保険手続きなどを行います。
※活動スタッフのみなさんには、事前ミーティングに必ずご参加をお願いしています。
申し込みについて 上記「セミナー申し込み」ボタンよりお申込み下さい。

お申込みいただいた方の中から、目的、経験、専門性、年代のバランス等を考慮し活動スタッフを決定させていただきます。

事前にお問い合わせ、ご相談をいただく場合は事務局までご連絡ください。
また、事前ミーティングへの出席は必須要件です。出席を前提にお申し込みください。

参加決定のご連絡は「10月26日(月)17:00」の締切後「10月29日(木)17:00まで」にお申し込み者全員にメールまたは電話でお知らせします。
主催 大船渡市「デジタル公民館まっさき」運営協議会
事務局・問合わせ先 一般財団法人高度映像情報センター(AVCC)
霞が関ナレッジスクエア(KK2) TEL:03-3288-1921

大船渡市「デジタル公民館まっさき」 平成27年11月活動報告

 平成27年度「学びを通じた被災地の地域コミュニティ再生支援事業」(復興庁・文部科学省委託)として取り組んでいる「デジタル公民館まっさき」11月活動(11月7日―8日)の概要を報告します。
 今回の特徴は、活動日程を末崎町民文化祭の開催期間に合わせ、まっさきで活動している団体・グループと一緒に展示ブースを設けさせていただき、来場者全員を対象にPRを兼ねてデジタル公民館活動を実施したことです。
 とくに、つい先週末(10月31日)行われた神坂熊野神社の式年大祭の映像上映と写真コピーを展示したことでみなさんにとても喜んでいただきました。
 また、「まっさきふれあい映画館」では、トークゲストで参加いただいた上田幸夫さん(日本体育大学教授)が、2011年の4月、公民館の被災状況把握のため、末崎町を訪れた際、被災した内田地域公民館で新沼眞作館長にあい、調査に行けなかった綾里地域を案内してもらった間柄だったことなどもあり、とてもフレンドリーな場となり、まっさきの人同士の活発な意見が交わされました。
 「パソコン・インターネットよろず相談」では、前回からニーズの増えている「エクセル」を用いた名簿作りや会計報告づくりに備えて、ネット学習コンテンツを開発して取り組んでいますが、今回も家計簿ソフトを使わずエクセルで簡単に家計簿を作りたい、名簿を作りたい等「エクセル」を学びに来た方が数人いて、成果に繋がりました。パソコンを媒介に、地域の人とよそ者が交流する“居場所”として、また、実務的に地域の方がスキルを身につける場、活動スタッフが自分の持つスキルを提供する場、という両面のバランスがより良くなってきたように感じました。

1.活動スタッフ参加者

参加者:13名(内訳)
~19歳 0名
アソシエイト層(20~34歳) 1名
リーダー層(35~49歳) 3名
シニア層(50歳~64歳) 7名
65歳以上 2名
*男女別では男性9名、女性4名(うち大学生1名)でした。
参加者内訳円グラフ

2.活動場所

大船渡市末崎地区公民館 (大船渡市末崎町)
宿泊場所:海楽荘・大船渡温泉(岩手県大船渡市大船渡町字丸森29ー1)

3.活動スケジュール:2015年11月7日(土)~8日(日)

11月7日、11月8日スケジュール

4.11月7日(土) 活動概要

(1)陸前高田市 奇跡の一本松・かさ上げ工事現場・タピック45視察 11:30~12:30
陸前高田の荒涼とした情景
(スタッフ参加者 12名)
 かさ上げ工事は終了し、パイプラインなどの土砂搬送システムがほとんど撤去されていました。工事関係の施設が撤去されたため、駐車場から奇跡の一本松を望むことができました。参加者の半数が初めて訪れたということで、急遽、被災前に道の駅だった震災遺構「タピック45」を見学することにました。活動のイントロとして陸前高田の荒涼とした情景にふれることは、新規スタッフの心にインパクトがあるようです。3.11の大津波で流失し、再建された石川啄木の碑も印象的でした。
(2)パソコン・インターネットよろず相談  13:30~16:00

場所:末崎地区公民館(ふるさとセンター)2階会議室
(現地参加者7名/スタッフ参加者 8名)

 文化祭が行われていたこともあり、13:30開始早々は参加者が少なく、心配しましたが、しばらくすると常連の皆さんに加え、初めて参加の方もいらしてくださいました。ある方はエクセルで家計簿を作りたい、またある方は名簿を作りたいと、ご相談がありました。参加者とアドバイザーが和やかにおしゃべりを交えながら、ご相談事に取り組みました。そして、普段困った時に役立てていただけるように「初心者向け仕事がはかどるExcel活用術」のインターネットの番組を紹介しました。その他、Windows10へのバージョンアップや、Facebookの使い方、インターネットやメールの使い方、デジタルカメラやその画像の扱い方など、いろいろなご相談に対応しました。

 これまで同様、参加者の方には、今回の参加の目的・取り組んだこと・達成状況などの学習履歴を残す「参加者カルテ」を作成させていただきました。以下主な対応内容です。

  • Windows7からWindows10にアップグレードしたい
  • PCを廃棄するので、ハードディスクの内容を消したい
  • エクセルで家計簿を作りたい
  • エクセルで名簿を作りたい
  • インターネットの操作方法が知りたい
  • メールを送信できない
  • デジタルカメラの写真ファイルをDドライブに保存したい
  • デジタルカメラの画面上のガイド表示が消えない
  • Facebookの使い方をもっと知りたい
などなど

エクセルに関心のある方は下記を参照ください。
http://www.massaki.jp/?p=5906
「初心者向け! “しごと”がはかどるExcel(エクセル)活用術」

  • すごいぞExcel(7分57秒 動画)
  • 名簿をつくってみよう(16分48秒 動画)
  • 名簿を編集してみよう(9分55秒 動画)

以上のほか、今後、「計算書」、「グラフ表示」のコンテンツを公開する予定です。

(3)文化祭展示ブースでPR&交流活動 14:00~16:00 

デジタル公民館まっさきブース
(現地参加者約50名/スタッフ参加者 4名)
場所:末崎地区公民館(ふるさとセンター)体育館

 普段のデジタル公民館活動ではなかなか顔合わせやお話ができない住民の方々に、活動を知っていただくこと、コミュニケーションすることを目的に昨年につづいて町民文化祭に参加させていただきました。今年は、先週末(10月31日)に、8年ぶりに行われた神坂熊野神社式年大祭の権現舞、虎舞、はしご虎舞などの奉納、神社から神事を行うグランドまでの神輿と祭り組衆の練り歩きを撮影したDVDの上映とA4サイズ写真コピーを展示しました。これが予想以上の大ヒット。祭囃子の音にひかれてブースにやってくると、動画に加え、壁一面にA4の写真を展示、テーブルには写真ファイルを置いて閲覧できるようにしました。

 自分や孫、子ども、知り合いの姿を発見された方々から「欲しい、欲しい」の依頼が殺到。2日目のお昼前に「自由にお持ちください」の表示を出したところ、多くの写真コピーをお持ち帰りいただきました。

 昨年の「まちおもいフォト」、27年度の「パソコン・インターネットよろず相談」、「まちおもいトーク」などデジタル公民館活動の様子など写真展示もさせていただきお祭りの写真同様、人気を博しました。

 自分(自分たち)のおもいをメッセージにしたため、笑顔と一緒に撮影させていただく「まちおもいフォト」活動は、映像と写真のお祭り展示のインパクトの影響からか、昨年に比べるとやや少なかったのですが、末崎中学校体育館で行われた保育園児、小学生、婦人グループなどの発表会出演グループの協力があり、今年もまっさきの未来へ繋げるメッセージと笑顔がまとめますので、しばしお待ちください。

(4)まっさき ふれあい映画館&意見交換会・懇談会 18:30~20:30

(現地参加者16名<65歳以上14名、64歳~50歳1名、49歳~35歳 0名、不明1名>、スタッフ参加者13名)
場所:末崎地区公民館(ふるさとセンター)2階会議室

 上映作品はいずれも1950年に教育目的の非商業映画として制作され、当時日本全国で上映された占領下のCIE映画「公民館」(32分)「スクェア・ダンスを踊ろう」(14分)「格子なき図書館」(22分)の3本。約1時間の映画上映後、日本体育大学教授の上田幸夫氏を講師に意見交換を行った。
*民間情報教育局(Civil Information and Education Section=CIE)

 上映会には末崎町の地区公民館、地域公民館の現役館長並びに館長経験者が8名、その他住民が8名、ほぼ全員が65歳以上ということで、公民館活動に関心のある方、自分の幼少の頃の公民館や図書館に興味をもたれた方々に参加いただいた模様です。

 はじめに上田幸夫先生が、映画で登場していたシーンの背景を解説。アメリカは戦後日本の社会づくりを図書館中心に行おうと考えたが、はじめて1年もたたないうちに公民館が社会づくりの中心になったこと、優良公民館表彰や表彰者の天皇陛下拝観のエピソードなど、戦後の公民館の歴史、目的、位置づけなどを振り返ったあと、参加者により末崎町の公民館の地域事情、経緯などについて意見が出された。

  • 末崎町は18の集落・集落公民館で構成されている。
  • それは末崎町内に神坂と中森にほぼ同格の熊野神社が二つ存在することと関係している。
  • 各神社の氏子組織は、それぞれが9つの集落で構成され、末崎町としては18の集落構成を取ってきた。
  • 18集落ごとに公民館が設置され、熊野神社の祭礼や伝統行事の中心を担ってきた。
  • 公民館はもともと各集落で「常屋」と呼ばれ、集落の寄り合い施設だった。
  • 合併に伴い旧町の財産を管理する契約会が公民館の上部組織として事実上、地区の決めごとを差配する地域や、個々の集落ごとに細かく契約会がある地域もあったが、末崎町はオールまっさきとして契約会は一つで、公民館長が地区の取りまとめ役を果たしてきた。

・・・・などなど、まちの成り立ちと「常屋」、公民館の役割、機能などについて話し合われた。結果的に1946年、文部省が公民館設置に関わる通称「寺中通牒」を発表、1947年に教育基本法を交付、1949年には社会教育法を制定するといった一連の流れの中で、1950年、末崎町立公民館も設置され、町内各集落の常屋は住民の手による自治公民館(地域公民館)として位置づけられた。

 今回の「まっさきふれあい映画館」は、映画を媒介にまっさきの地域コミュニティが神社と公民館と集落の関係で成り立ってきたことを再確認する場になったように感じられた。3.11の大津波で破壊され再建された神坂、小細浦、門之浜地域公民館につづき、28年10月に開催される中森熊野神社式年大祭に向けて西舘地域公民館の再建が待たれる。

5.11月8日(日)  活動概要

(1)早朝視察研修1 大船渡温泉 薪焚きボイラー設備 7:00~7:45

(スタッフ参加者9名)

 9月活動の「まっさきに学ぶ!」で、「大船渡温泉は三陸復興に役立つ1000年続く事業」のご講演をいただいた大船渡温泉の志田豊繁オーナーの案内で、講演でも紹介された薪ボイラーシステムを、早朝直々に見学させていただきました。

  • 地元気仙地域(住田町、陸前高田の竹駒町など)の製材工場から出る端材をバイオマス燃料として利用しているのでほとんど燃料代がかからない。三陸自動車道の開通で配送時間もそれほどかからない。
  • 近年のプロパンガスや重油を燃料とした温水ボイラーと比べると、端材(薪)をくべたりする人手がかかるうえ、ボイラー自身は大きく感じるが、大船渡温泉は設置スペースが十分あり、地元の雇用創出にもなっていて、理にかなった形になっている
  • 薪焚きボイラーに隣接する温泉の給湯システムも見学させていただきましたが、最新の機器や配管が整然と並んでいました。
  • これら温泉システムの設備投資、維持管理などの経営努力により、地元の方へ安い料金で楽しんでもらう日帰り温泉サービスが提供されていることに改めて感銘しました。
(2)早朝視察研修2 門之浜漁港 牡蠣剥き作業見学 8:00~8:40

(現地参加者1名/スタッフ参加者13名)

 まっさきの漁師さん高渕 司さんのコーディネイトで、門之浜でホタテ、牡蠣、わかめなどの養殖業を営む村上吉雄さん、美津江さんご夫妻の作業場を訪問。シーズンとしてわかめの種付け作業が最盛期という忙しい時期にもかかわらず、今回、特別に外海の筏で養殖されている3年ものの牡蠣の出荷に向けた作業を準備していただきました。築地市場に出荷するのに気仙沼の牡蠣のむき身はそのまま生で出荷できるが、門之浜からは距離と時間の関係でむき身を、いったん熱殺菌ないと出荷できないのだそうです。3年物はそうした地理的なハンディを跳ね返す大きい牡蠣でした。

 村上さんは、お父さんから仕事を継いで、30代のころから漁師をはじめたそうです。いま、70代ですが、震災後、あらためて作業小屋を再建し、仕事を再開しました。道具を使って手際よく牡蠣剥きをする美津江さんの手さばきを見学。新鮮な牡蠣は、シャキシャキとした食感でたまらないおいしさとか。門之浜の牡蠣は外海で養殖しているため、大船渡湾の内湾で川の真水が混ざり合う赤崎などに比べると1年ものは小ぶりになるそうです。

 牡蠣漁は、若手は夜中の0時から早朝6時ごろまで。ベテランの高齢者になると2時から6時ごろまで。その後、出荷時間の12時ぐらいをめどに20㎏×3箱分・・・というように牡蠣剥き作業を行う。これが1月ぐらいまでずっと続くそうです。おかげさまで、末崎の主産業のひとつである牡蠣養殖の様子を、身近に見ることができました。村上さんご夫妻、高渕さん、ありがとうございました。

 高渕さんは [浜の駅 碁石海岸] 大船市末崎町・門之浜産「門出牡蠣」(かどでがき)「門出ホタテ」としてブランド化、ネット販売を準備中。サイトURLはhttp://www.goishishop.com/

(3)PCネットよろず相談  9:00-12:00

場所:末崎地区公民館(ふるさとセンター)2階会議室
(現地参加者 8名/スタッフ参加者7名)

 前日に続いて8名の方に参加いただき、エクセルによる名簿作成やパソコンのバージョンアップ等、参加者のお困りごと、相談ごとに応じて取り組みました。

(4)文化祭展示ブースでPR&交流活動 9:00~12:00

(現地参加者 約100名、スタッフ参加者4名)

 前日に続いて熊野神社式年大祭のDVDの上映、気仙法院神楽や各祭り組の権現舞、虎舞、はしご虎舞などの写真コピーの展示、こども七福神、よさこいソーランなど、末崎中学校体育館での舞台発表者のまちおもいフォトの撮影などに取り組みました。用意した写真コピーは、ブースを訪れていただいたみなさんに、ほとんどプレゼントしてしましました。

(5)「復活した郷土の祭りとコミュニティ」(居場所ハウス) 14:30~16:00

(現地参加者 2名、スタッフ参加者 11名)

 熊野神社式年大祭実行委員長の近藤 均さんと平地区住民で居場所ハウス館長の鈴木軍平さんに「復活した郷土の祭りとコミュニティの再生」について、というテーマでお話ししていただきました。 お話の概要は次のようです。祭りを8年ぶりに復活させるための御苦労やコミュニティと祭り、若者教育と祭りの関係などのお話は示唆に富み、たいへん勉強になりました。

  • 熊野神社の式年大祭は4年に1度行ってきたが、震災の年は行えず、8年ぶりに行った。
  • 郷土の伝統的な行事を8年ぶりに行えたことは意味がある。被災と高齢化で存続が危ぶまれた。今回行えなければ、継承できないとの危機感からがんばって実行した。
  • 8年ぶりということで注目され、東海新報はじめ、マスコミで取り上げられた。
  • 16m高さの「はしご虎舞」などアクロバティックな催し、踊りなど特徴的な催しがある。
  • 実行委員会では、被災状況を踏まえ、祭りの対応を各地区に一任した。
  • 地区によっては、催しを出さないと結論した地区もあり、対応はまちまちだった。最終的に、少なくとも纏いだけは出すことになった。
  • 地区でリーダシップを発揮しないと柔軟な対応ができない。「よそがやらないなら、うちもやらない」との意見もあった。無形文化財の「平組はしご虎舞」は8年やっていない。今回やらないと伝承ができないとの思いから若手が引き継ぎやることになった。
  • 奉納舞は以前行っていたところが工事中で県から許可が下りない。野球場を借りて行うことにした。そのため、コースが変わり、あらたに警察への手続きや用意するものが必要になった。用意するものや分担は各町内に割り当てた。
  • 420名の行列。小学生のよさこいソーラン踊り。予想外に多い人出だった、盛況だった。
  • もっとこうすればよかった、なぜうちの地区は権現舞をださなかったのかなど、地区執行部は責められた。それぞれの地区で話題になった。
  • 祭りに対する期待を皆持っている。行事は地域づくりのベースになる。わっと人が集まり交流ができる。若者の育成につながる。地域で顔見知りになり、まとまるきっかけができる。
  • 仮設で生活していた世帯がコミュニティに加わる。戻ってくるケース、新たに加わるケースがある。新しい世帯がかなり増える。皆で調整し、コミュニティを継続していきたい。行事がコミュニティをつなぐ。