『ハーバードビジネススクールが教えてくれたこと、教えてくれなかったこと』(ビル・マーフィー・ジュニア 著)

『ハーバードビジネススクールが教えてくれたこと、教えてくれなかったこと』 ‐起業した卒業生3人の10年間

『ハーバードビジネススクールが教えてくれたこと、教えてくれなかったこと』(ビル・マーフィー・ジュニア 著) 

著者:ビル・マーフィー・ジュニア
出版社:阪急コミュニケーションズ
発行:2011/12
定価:1,995円


【目次】
1.HBS入学まで――生い立ち
2.卒業まで――ハーバード
3.1年目――就職
4.2年目――挑戦
5.3~4年目――激震
6.5年目――復活
7.6年目――飛躍
8.7年目――変化
9.8年目――転機
10.9~10年目――新たなステージ
11.次の10年へ――危機を乗り越えて

  • ■起業したハーバードビジネススクール卒業生から学ぶ10のルール

     起業して成功したい――そう願う人は多いだろうが、初めてのベンチャーはたいてい失敗する。人材や資金の不足、未熟な事業計画、中途半端な意気込み……と、理由は様々であるが、失敗した本当の理由を見つけ出し、そこから学ぶことができれば次のチャレンジに向けての大きなチャンスを得ることができる。
     起業家になることを決意させたものは何なのか。会社を立ち上げて育てる中で何を学んだのか。そしてその教訓を私たちが活用するにはどうすればよいのか。この3つの疑問を中心に、ハーバードビジネススクール(HBS)を卒業し、起業に成功するに至った3人の道のりから見つけたのが、次の「起業家として成功するための10のルール」である。

     「成功を固く決意する」「まず問題を見つけ、それから解決策を考える」「大きく考える、新しく考える、もう一度考える」「1人ではできない」「1人でやらなくてはいけない」「リスクを管理する」「リーダーシップを学ぶ」「売り込み方を学ぶ」「粘って、辛抱して、勝つ」「一生続ける」

  • ■起業は一つの生き方

     HBSの教授たちは起業を1つの生き方として提示し、こう語る。「多くの人が通った安全な道をたどるのは非常に簡単だ。それでも充実した人生を送ることはできる。けれども、なかには違う道を歩みたいのに、その結果が怖くてためらう人がいる。そういう人は自分が成し遂げたことよりも、自分がやらなかったことについて一生後悔し続けるだろう」。
     本書の3人が自分を起業家だと自覚したのは20代の終わり以降である。その時点で彼らはいくつかの重要な問いに答えを出していた。つまり、「起業以外に時間や資金を要する責任はないか」「メンターや手本になる人はいるか」「機会費用を見極める」「これまでの実績をリストアップする」「自分のリスクの許容度を知る」。そして決意を固めた。
     著者は、本気で起業を決意すると瞬く間に世界が違って見えると語り、3人の物語を読んだことが、あなた自身が起業の夢を追いかけるきっかけになることを強く願っている。

  • ◎著者プロフィール

    ジャーナリスト。陸軍士官、弁護士、ワシントン・ポスト紙の記者などを経て、ボブ・ウッドワード著『ブッシュのホワイトハウス』(邦訳・日本経済新聞出版社)でリサーチ・アシスタントを担当。2009年の著書"In a Time of War: The Proud and Perilous Journey of West Point's Class of 2002"が高い評価を得る。3つのベンチャー企業を立ち上げた経験を持つ。