『越境せよ! 日本で絶望するより国境のない世界で稼げ』 (石田 和靖 著)

『越境せよ! 日本で絶望するより国境のない世界で稼げ』

『越境せよ! 日本で絶望するより国境のない世界で稼げ』 (石田 和靖 著) 

著 者: 石田 和靖
出版社: 講談社
発 行: 2013/02
定 価: 1,470円


【目次】
 1.「日本の中の外国」が未来を予言する
 2.「見たい」と思ったときに行け!
 3.宝の山はアゼルバイジャンに眠っている
 4.イスタンブールから世界が見える
 5.意識すれば情報はどんどん入ってくる
 他、45テーマ

  • ■新興国の活気を自分の目で見ることが必要

     アゼルバイジャン、ドバイ、トルコ、インドなど、新興国に自ら飛び込んでいって人生観が変わってしまったという著者の石田氏は、「日本にいて未来に絶望しているくらいなら、成長の途上にある新興国に行ってみるといい。去年までラクダに乗っていた人々が、今年はベントレーに乗っている。そんなダイナミックな成長を目の当たりにすることができるのだ」と熱く説く。例えば、アラブ諸国の金融機関のトップクラスがいま最も注目しているアゼルバイジャンでは、バクー油田と、その原油を地中海まで運ぶ1768キロメートルにも及ぶBTCパイプラインの完成が、この国の経済を一変させた。欧米資源メジャーの直接投資と原油高に伴う多額の収入が、国内の経済を急速な勢いで成長させている。
     問題なのは、こうした国の情報が日本では皆無といっていいほど少ないということだ。であれば、自分で行ってみるしかない。成功は、まだ何も情報がないところにしか埋まっていないのだ。

  • ■一歩を踏み出して、走りながら考える

     インドで商売を成功させようと思ったら、実際にインドの現場を踏むことだ。しかしインドに進出している日本企業は1000社にすぎない。情報が少ないため、尻込みしてしまうのだ。アフリカでも、日本企業はほとんど進出していないが、中国や韓国企業が大挙して押し寄せている。新興国では日本製品に対する信頼は非常に高く、売るチャンスはいくらでもある。しかし、そこに日本人がいない。ナイジェリアで日本のブランドが人気を集めていても、売っているのはインド人だったりする。日本企業はとにかく決断を下すまでのプロセスが長い。時間をかけて丹念に調査を行っているうちに、中国企業や韓国企業に追い抜かれる。
     今の時代は、動きに乗り遅れないために、走りながら考えるスタンスが必要だと石田氏は主張する。とにかく一歩を踏み出し、あとは考えながら動けばいい。そうすれば、世界が刻々と変化していく中で、その変化に日本人が入り込んでいく機会は十分にあるのだ。

  • ◎著者プロフィール

    株式会社ザ・スリービー代表取締役。ワールドインベスターズTV代表兼総合プロデューサー。香港政府観光局経済観光大使。日本証券業協会公益委員。会計事務所在職中、中東から東南アジアエリアの外国人経営者の法人を多く担当。2003年にザ・スリービーを設立。香港やドバイ、サウジアラビア等、政府系ファンドや企業などに太いパイプを持つ。『オイルマネーの力』(アスキーメディアワークス)など新興国経済に関する著書多数。