『あたらしい働き方』
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■働き方を管理されないあたらしい働き方
午後3時で仕事が終わってしまう会社、社員がサーフィンをしてから出勤する会社、海外で1年間自由に遊んでこいという会社など、あたらしい働き方を実践している会社が生まれつつある。これらの多くでは、働き方は管理されず個人に委ねられている。細かな指示も飛んでこない。自由に好きにしていいから、クリエイティビティが発揮できるのだ。だからといって、このような会社が誰にとっても幸せなのかといえば、必ずしもそうではない。世の中には、管理されたほうがラクという人もいるからである。あたらしい働き方ができる会社は、自分の能力をもっと発揮していきたい人たちにとって大きな可能性を秘めているのだ。本書では、コンサルティング会社代表の著者が、パタゴニア、スタートトゥデイなど日米の先進企業を取材し、「古い価値観や常識に縛られないあたらしい働き方」を紹介しながら、あたらしい企業選びの基準や、あたらしい働き方を手に入れるために必要なスキルを明らかにしている。
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■スキルや職歴よりも問われる人間性
パタゴニアは、本社から海岸線まで車で2、3分。なぜ、こんなところにオフィスがあるのかといえば、いつでもサーフィンができるからだ。ミーティング中でも、いい波が来ているという情報が入れば、社員たちは海に向かっていく。ただし、いい波が来たサーフィンの後は、集中したいいミーティングになる。日本にも革新的な働き方を実現させた会社がある。労働時間を朝9時から午後3時としたスタートトゥデイである。精神的、体力的な余裕はより仕事ができる人を育てていく。労働時間を短くして生産性を大幅に上げていこうというチャレンジだ。このようなあたらしい働き方に取り組んでいる企業では、素晴らしいスキルや職歴があっても、それだけで採用されることはない。その会社と人間性がマッチするかがチェックされる。だからこそ大事なのは、素の自分である。着飾っていない状態を知って入社を決めることが、お互いのハッピーにつながる。問われているのはスキルの前に人間性なのである。
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◎著者プロフィール
レバレッジコンサルティング株式会社代表取締役社長兼CEO。シティバンクなどの外資系企業を経て、バックスグループの経営に参画し、常務取締役としてJASDAQへの上場に導く。現在は、日米のベンチャー企業への投資事業を行うと同時に、少ない労力で多くの成果をあげるためのレバレッジマネジメントのアドバイスを行う。著書は、ベストセラーになったレバレッジシリーズをはじめ、累計200万部を突破している。