『最強「ご当地定番」のつくり方』(勝山 良美 著)

『最強「ご当地定番」のつくり方』

『最強「ご当地定番」のつくり方』(勝山 良美 著) 

著 者:勝山 良美
出版社:日本実業出版社
発 行:2013/10
定 価:1,575円


 1.なぜ、レストランが「お土産」をつくることになったのか?
 2.「ご当地定番」をつくるためにまず考えるべきこと
 3.実践! 「売れ続ける商品」をつくるためのステップ
 4.「売れ続ける商品」に育てるためのしかけづくり
 5.時流を読み、お客様のニーズを把握するための習慣
 6.「売れ続ける」とは「変わり続ける」ことである

  • ■「もうちょっとだけ食べたい」が「ご当地定番」となる最大の決め手

     著者が代表取締役社長を務める株式会社YOSHIMI(ヨシミ)は、2009年に発売したお土産菓子『カリカリまだある?』が大ヒットし、新千歳空港内の売店やお土産店などを対象とする「売れ筋商品トップ10」で発売後2年間、上位にランクインし続けた。さらに、その後に発売した『コレット』などのお土産菓子も必ずランクインしている。どうすれば、このように売れ続ける商品をつくることができるのか? 本書では、著者の経験・知識を体系的に整理し、最強の「ご当地定番」をつくるためのノウハウを紹介している。
     「ご当地定番」になるかどうかの最大の決め手は、最初のひと口で「もうちょっとだけ食べたいな」と感じるかどうかである。つまり、“リピート現象”を起こせるかどうか。カリー味のせんべい『カリカリまだある?』は、まさに「もうちょっとだけ」を突き詰めたお土産菓子だ。絶妙な辛さと風味に仕上げ、「後を引くくらいの辛さ」をあえて意識した。辛いものが苦手な人でも、「辛いなあ。でも、もうちょっと食べたいな」となるのだ。

  • ■不可能を可能にする商品開発にはプロ中のプロでチーム構成する

     YOSHIMIの商品開発におけるチーム編成は、あえて自社に専任の商品開発担当者を置かず、「著者+外部スタッフ」を基本としているという。こうした体制で商品を開発するメリットは、「プロ中のプロを集めることができる」ことだ。トウモロコシをショコラと合わせたお土産菓子『コレット』の場合、開発にあたり、「チョコレートのプロ」「フリーズドライコーンのプロ」「焼き菓子のプロ」を外部から集めた。
     外部からその道のプロを集めてチームを編成すると、たとえば「チョコレートはこういうもの。だから、このような仕様で調理し、商品化する」というような固定観念が取り払われ、ゼロから商品を開発することが可能になる。そのチームで考えて、考え抜くからこそ、不可能を可能にする商品を開発することができるのだ。売れない商品には何かが足りない。その何かを探し出せるのがプロ中のプロだ。だからこそ、最強レベルの個を集めてチームを構成することにこだわっているのである。

  • ◎著者プロフィール

    1951年北海道生まれ。札幌のレストラン「YOSHIMI本店」を中心に、全国にレストランやスープカリー専門店など13店舗を運営する料理人兼経営者。2009年発売の『カリカリまだある?』の大ヒットを皮切りに、シェフならではの感性を活かした独創的なお土産菓子を立て続けにヒットさせている。現在、全国の食品製造会社から商品開発やプロデュースの依頼が相次ぐ。