『クチコミュニティ・マーケティング実践ノート』
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■クチコミの信頼度はテレビの2倍以上
「クチコミュニティ・マーケティング」とは、「クチコミ(コミュニケーション)」と「コミュニティ」を合わせた造語で、著者により登録商標もされている。その信頼度は「テレビの2倍以上」だというクチコミを起こすにはコミュニティが必要であることを明らかにし、そこから逆に、どうしたらクチコミを広げることができるのか、という方法論を示した実践モデルがクチコミュニティ・マーケティングである。
10万人の女性をリアルとネットで集め、生の声を企業向けに調査・分析するコンサルティング事業を展開している著者は、20年以上にわたって、女性たちがクチコミで行なう情報伝達の変化を見続けてきた。現在はSNS(Social Network Service)といわれるFacebookやTwitter、LINEなど、ネット上のコミュニケーションツールが爆発的に普及し、クチコミという言葉そのままの社会環境が形成されている。本書は、そうした時代に、あらためて「クチコミュニティ・マーケティング」の意味とその具体的な方法論を問い直し、明らかにしたものである。 -
■「クチコミュニティ・マーケティング」の「黄金の4ステップ」
「クチコミュニティ・マーケティング」とは、共感者を集め(コミュニティ)、リピート(ファン)、紹介(クチコミ)を増やしていく仕組み。そこには、(1)クチコミしたくなる魅力をつくる=「共感」⇒(2)クチコミする人をつくる=「共鳴」⇒(3)クチコミのネタが伝わる工夫をする=「共創」⇒(4)クチコミが広がるコミュニティをつくる=「共育」という「黄金の4ステップ」がある。
トヨタ自動車では「女性の視点でクルマの販売を見直そう」というプロジェクトで、女性を中心としたチームを結成。テスト店第1号のトヨタカローラ徳島では「黄金の4ステップ」を実践し、チーム発足1年後には5000人もの女性を集めるイベントを成功させ、周囲をアッと驚かせた。ほかにも、カラオケ店パセラ、中古車販売ガリバーなどの大手企業から、看板もエレベーターもないビルの4階にある飲食店や、地方のシャッター通りにある酒屋まで、規模や地域、業態に限らず「クチコミュニティ・マーケティング」が「売り」に直結している事例は多数ある。 -
◎著者プロフィール
株式会社ハー・ストーリィ代表取締役。1990年ハー・ストーリィを創業。女性会員10万人のネットワークを持つマーケティングサイトを運営し、消費者と企業の共創型マーケティングの実践モデル「クチコミュニティ・マーケティング」を開発。取引先は大企業から中小企業、小売店、自治体まで多数。主な著書に『クチコミュニティ・マーケティング』(朝日新聞社)、『ファンサイト・マーケティング』(ダイヤモンド社)等。