『人生は見切り発車でうまくいく』(奥田 浩美 著)

『人生は見切り発車でうまくいく』

『人生は見切り発車でうまくいく』(奥田 浩美 著) 

著 者:奥田 浩美
出版社:総合法令出版
発 行:2014/07
定 価:1,300円(税別)


【目次】
1.結果を出す人がやっている「見切り発車」とは
2.今日から結果を出す! 発車するときの工夫
3.壁を感じたときにどうするか?
4.「見切り発車」で仲間を増やす方法
5.「見切り発車」で想いを形にする人たち
6.10年後も生き残るための「見切り発車」

  • ■スピード重視の現代社会では「見切り発車する勇気」を持つべき

     ITが世界を席巻する前から、グーグルやアップルといった次々とイノベーションを起こしてきた新興企業は、失敗を恐れずに新しいアイデアをどんどん試していた。本書では、スピードを重視する現代社会で、失敗が怖くて動けない若い人たちに、「見切り発車する勇気」を身につけることを提起している。
     ビジネスの世界では、重要な案件であればあるほど、デスクでじっと考えていても埒が明かない。むしろ具体的にあれこれ行動して検証していったほうが、スピーディに解決するケースが多い。たとえば、「定番ドーナツにシロップをかけた新商品」を開発する場合で考えよう。会議室で企画書の字面だけをにらみながら何時間も議論するのと、実際にドーナツをつくってみて試食してもらい、その感想や意見を参考に試行錯誤するのとでは、どちらが有益だろうか。明らかに後者のほうが具体的な意見がどんどん出てきて、次のアイデアにつながるはずだ。

  • ■製品化してから改良を重ねる戦略

     IT分野では、実際にサービスを市場に出して反応を見ながら製品を作っていく「リーンスタートアップ」手法が本格的に広がっている。グローバル時代の今、ほとんどの製品は国外での発売も想定してつくられており、「発売して終わり」ではなく、発売後もどんどん仕様を変えてバージョンアップさせ、世界中に広めていくのである。この場合のポイントは、最小単位で動くものをつくること。ユーザーの意見を引き出しやすくするため、最初から複雑な機能を搭載せず、シンプルでわかりやすいものをつくる。それを各国で展開していく中で「取り入れる仕組み」、「止める仕組み」、「捨てていく仕組み」を考えるのである。
     日本ではまだそこに気がつかないまま、複数の合意を得て進め、完全なものを出そうとする昔ながらのやり方をしている。しかし今後は、時代に合わせて、決断も、新しいものを受け入れる速度も、仕事のスピードも、どんどん速めていかざるをえないのである。

  • ◎著者プロフィール

    株式会社ウィズグループ代表取締役。株式会社たからのやま代表取締役。鹿児島県生まれ。インド国立ムンバイ大学大学院社会福祉課程修了。2001年、株式会社ウィズグループを設立し、IT系大規模コンファレンスの事務局統括・コンテスト企画などを行う。2013年には株式会社たからのやまを設立し、高齢者との共同製品開発事業を開始。2014年より、情報処理推進機構(IPA)の未踏IT人材発掘・育成事業の審査委員を務めている。