『すべての仕事は[逆]から考えるとうまくいく』 (ロブ・ヴァン・ハーストレッチト/マーティン・シープバウアー 著)

『すべての仕事は[逆]から考えるとうまくいく』

『すべての仕事は[逆]から考えるとうまくいく』 (ロブ・ヴァン・ハーストレッチト/マーティン・シープバウアー 著) 

著者:ロブ・ヴァン・ハーストレッチト/マーティン・シープバウアー
出版社:日本実業出版社
発行:2012/04
定価:1,575円


【目次】
 1.目標を設定する
 2.分析のためのフレームワークを構築する
 3.分析を実行する
 4.解決策を策定する
 5.利害関係者と連携する

  • ■目標を掲げ「そのためにはどうすればいいか」を考える

     ビジネスで何か問題が発生し、解決が求められている場合に、まず「問題はどこにあるのか」「なぜ問題が起きたのか」といったことの追求から始めることが多いのではないだろうか。しかしそうすると、分析に時間をかけすぎてアクションを起こす時機を逃したり、問題を複雑にしてしまい解決までたどりつかなかったりもする。
     本書は、まったく異なる問題へのアプローチを提案する。問題の原因を突きとめ、それの改善策を考えるのではなく、「こうなりたい」という目標を掲げ、「そのためにはどうすればいいのか」と、「逆」に考えていく。売上げが下がったのならば、「○%売上げを伸ばしたい」という具体的な目標を設定し、その実現のための戦略を考えるのである。目標設定をせずに「改善策」から始めてしまうと発想が限定されてしまう。「原因」にとらわれずさまざまな変数を考慮に入れることで、より創造的な解決策が打ち出せるのだ。

  • ■「分析のためのフレームワーク」を使って解決策を探る

     たとえば「ある国の国民が飢餓に苦しんでいる」問題を解決する場合、まず「2015年までに飢餓にある人々を50%以下に減らす」といった、具体的な数字を伴う目標を立てる。そして次に「分析のためのフレームワーク」をつくる。フレームワークをつくる方法は(1)質問型アプローチ、(2)解決策型アプローチ、(3)段階的アプローチの三つ。(1)では「飢餓撲滅にはどんな施策がベストか?」「その施策にかかるコストは?」などと質問を重ね、回答を考えていく。(2)では「水供給プログラムを立ち上げる」「地域に食糧貯蔵施設を開設する」など試す価値のある解決策を挙げていく。(3)では「1.地域を選ぶ」「2.地域内の村を選ぶ」「3.村ごとの施策を決定する」「4.国際的施策へつなげる」のように段階ごとに考えていく。ここでポイントとなるのは「何をすればいいか」ではなく「どういう行動をとるべきか」と考えることなのだ。

  • ◎著者プロフィール

    ロブ・ヴァン・ハーストレッチト:
    オランダ在住のコンサルタント。BCG(ボストンコンサルティンググループ)に8年間勤務した後独立。専攻はビジネス経済学。

    マーティン・シープバウアー:
    Schibsted Classified Media社ゼネラルマネージャー。マッキンゼー・アンド・カンパニーに7年間勤務した。2008年以降、さまざまな分野のシニアコンサルタントとして主に欧州南部に向けて活動。スペイン、バルセロナ在住。