『生産性を向上させるクラウド徹底活用入門』(坂本 恒之 著)

『生産性を向上させるクラウド徹底活用入門』

『生産性を向上させるクラウド徹底活用入門』(坂本 恒之 著) 

著者:坂本 恒之
出版社:幻冬舎メディアコンサルティング
発行:2012/10
定価:735円


【目次】
 1.クラウドのメリット、デメリット
 2.IT活用による生産性向上の現実
 3.クラウドのコストとセキュリティ
 4.クラウド戦略なくして企業の成長なし

  • ■クラウドをビジネスに活用しよう

     日本は世界の先進国の中でも労働生産性が著しく低く、製造業以外の産業ではIT活用が遅れていると言われている。特に第3次産業においてその傾向は顕著である。うまくIT活用を進められていない要因として三つ考えられる。
     一番目は、全社的なIT活用イメージや戦略がないままIT導入を進めて失敗するケース。二番目は、自社の既存の業務要件にこだわり過ぎて過度にシステムのカスタマイズや作りこみを大きくし、活用効果を出すことが難しくなるケース。三番目は、システムベンダーとのパートナーシップが築けないために、解決の糸口さえつかめずに「ITは信用できない」となる不幸なケースである。
     本書では、多かれ少なかれそのような経験を持っている経営者が、世界規模で大変重要な社会インフラとなっているクラウドコンピューティングという大きな潮流にどのように対応し、活用していけばよいのかがわかりやすく整理されて説明されている。

  • ■クラウド導入を成功させるための5原則

     クラウド導入・活用を成功させるためのポイントは五つある。
     一つ目は「クラウドを使い倒せ!」。セキュリティも経済性も確保された合理的なインフラであるクラウドをおおいに使い倒すべきである。二つ目は「システムは所有せず利用せよ!」。時代が"持たざる経営"にシフトしている今、アウトソーシングを上手に活用していくことが重要である。三つ目は「全体最適化を実現せよ!」。複数の部門の複数業務をクラウドによってリアルタイムに連動させ、徹底した自動化を行うことで会社全体として大きな効果を実現することができる。四つ目は「コストのかけ方を変えろ!」。クラウドへの移行により初期費用ははるかに安くなった。下がった分のコストを今後はシステムを活用するためのコストや体制づくりに生かすべきである。最後は「人材・組織の育成を!」。情報戦略とその道具として効果的なクラウドなどのIT技術を統括できる人材および組織の確立が重要な成功要因となる。

  • ◎著者プロフィール

    株式会社スマイルワークス代表取締役社長。「Cloud Business Alliance(CBA)」理事。「中小企業支援SaaS利用促進コンソーシアム(SPCS)」理事。また国内外の約20社のクラウドプラットフォームを実測検証し、現実に企業がビジネスとして活用効果の高いクラウドのあり方などを日々研究し続けると同時に「地域クラウドビジネス」や「クラウドサービスエスクロー」などの新しい試みを全国に提唱している。