『BEソーシャル!』 ‐社員と顧客に愛される5つのシフト
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■「DOソーシャル」から「BEソーシャル」へ
インターネットは一般人に発言の場を与えた。ソーシャルメディアは人々をつなぎ、想いを可視化し、世界を透明にする。企業はソーシャルメディアを活用する「DOソーシャル」から、企業自身がソーシャルメディアに溶け込む「BEソーシャル」のステージへ進むべきである。
ブランドイメージをお金で買える時代はまもなく終焉する。顧客は自分を幸せにしてくれる商品やサービスに対価を支払う。ビジネスの究極の目標は、その企業を取り巻く人々を永続的に幸せにすることだ。新しい時代に生き残るのはソーシャルメディアに愛される企業のみだろう。
本書では、生活者の感情がリアルタイムに共有され伝播されていく世界を最新のソーシャルメディア事情を交えて考察している。さらに、国内外の多彩な事例をもとに生活者からの共感を創造する企業のあり方を探求し、新しい時代の「あるべき企業像」に向かって変革していくための価値観を提示している。 -
■企業は進化すべきである
新しい時代の潮流は、誰にも止められない。企業にも真の民主主義が芽生えるだろう。隠蔽、統制、放置など今まで威力を発揮していたこれらのテクニックは人々の反感を呼び、軌道修正を余儀なくされるだろう。この流れは変えることはできない。企業は冷静にこのパラダイムシフトを直視し、そして速やかに受け入れるしかないだろう。
ソーシャルメディアによって社内外のボーダーも曖昧になってきた。この流れも変えることはできない。顧客や社員にとって、自社の魅力とは何なのか。いかに外部の知恵を借りて自社に足りない技術やスピードを補完するか。それらを真剣に検討しなくてはいけない。
企業にとって変えられない、いや変えるべきではないものがある。それは企業が創業の時から持っている遺伝子、企業理念だ。一方で、刻々と変化する社会のニーズに応えるためには既存の常識にとらわれることなく企業そのものを大胆に変革することも必要となるのである。 -
◎著者プロフィール
株式会社ループス・コミュニケーションズ代表取締役社長。1985年3月慶應義塾大学理工学部卒業後、同年4月日本IBM株式会社入社、1991年2月株式会社フレックスファームを創業。2004年同社株式を売却し、2005年7月株式会社ループス・コミュニケーションズを創業する。現在、ソーシャルメディアのビジネス活用に関するコンサルティング事業を幅広く展開している。『ソーシャルシフト』(日本経済新聞出版社)など、著書多数。