『テレビショッピングは、なぜ値段を最後に言うのか?』 (理央 周 著)

『テレビショッピングは、なぜ値段を最後に言うのか?』 ‐MBAでは教わらない! マーケティングの実践教科書

『テレビショッピングは、なぜ値段を最後に言うのか?』 (理央 周 著) 

著 者: 理央 周
出版社: ダイヤモンド社
発 行: 2013/01
定 価: 1,575円


【目次】
 序.ビジネスは数字が命!?
 1.10歳の子どもにもわかるようにマーケティングを説明できますか?
 2.地下鉄の駅のポスターに、ビジネスチャンスが転がっている!
 3.小学生は、なぜDSで写真を撮るのか?
 4.iPhoneといちご大福は、同じ理由で売れている!
 5.同じコンビニなのに、なぜ東京と横浜では品ぞろえが違うのか?
 6.マルボロのCMは、なぜカウボーイが出てくるのか?
 7.テレビショッピングは、なぜ値段を最後に言うのか?
 8.なぜデジカメが欲しいとき、ヤマダ電機に行くのか?
 9.今どきの女子会は、なぜ神楽坂の焼き鳥屋なのか?
 10.ブランドとビジネスモデルを創るためには、何が大切なのか?

  • ■お客様目線であることの重要さ

     本書のテーマは、マーケティングの中でも特に「お客様目線」を持ち、「革新的な発想」をすることでビジネスを好転させようというものである。
     「企業の経営」を、初めてわかりやすく体系化したと言われている、ピーター・F・ドラッカーは、「企業のミッション=使命は顧客の創造である」と定義している。これを、著者は、「お客様に選んでいただき、自社の製品を買っていただくことで、大事なお客様になってもらい、ずっとファンになってもらおう」という意味だと解釈している。
     顧客創造に必要なマーケティングとは、「売れる仕組み」を創り出すことである。売れる仕組みを創造する上では「お客様」が何より重要である。「お客様目線」で自分の仕事を見つめることがすべてのビジネスの出発点となる。すべてのビジネスパーソンは、どのような職種に携わっていても、マーケティングの考え方を十分に理解しておく必要がある。

  • ■何もしなくても自然に売れるのが究極のマーケティング

     究極のマーケティング活動とは、「ダイレクトに売り込まなくても、自然に売れる仕組みを創り出すこと」である。企業は、お客様に宣伝活動で自社の製品を広く知らせて、営業員が回るときには、すでに製品の良さもわかっている。手にはカタログも用意されていて、どこで、いくらで買えるのかも分かっている。そのような「自然にお客様が買ってくれる」流れを『仕組み化』することが、マーケティング活動である。
     そのための道具としてマーケティングの4Pがある。それは、(1)お客様が必要とするもの、欲しがる製品やサービス(プロダクト)を事前に調査して開発する、(2)お客様に製品の良さを知ってもらうために宣伝広告(プロモーション)をする、(3)お客様が価値を感じてくださる価格(プライス)を設定する、(4)お客様が普段よく立ち寄るであろうお店(プレイス)に置いてもらう、という4つの行動を指す。これらを組み合わせて初めて、自然に買ってもらえる確率を高くすることができる。

  • ◎著者プロフィール

    マーケティングアイズ株式会社代表取締役、コンサルタント、講師。本名:児玉洋典。1962年名古屋市生まれ。静岡大学人文学部経済学科卒業、大手製造業勤務などを経て、インディアナ大学経営大学院にてMBA(マーケティング)取得。フィリップモリス、アマゾンジャパン、マスターカードなど外資系企業を中心に、マーケティング・マネージャーを歴任し2010年起業、翌年より現職。マーケティングに特化した実践的なコンサルティングによる、企業の収益好転戦略に従事。企業管理職、経営者向けの講演と、顧客視点を醸成する企業内研修も多数依頼されている。