『勝ち続ける意志力』 (梅原 大吾 著)

『勝ち続ける意志力』  ‐世界一プロ・ゲーマーの「仕事術」

『勝ち続ける意志力』 (梅原 大吾 著) 

著 者:梅原 大吾
出版社:小学館
発 行:2013/04
定 価:777円


【目次】
 1.そして、世界一になった
 2.99.9%の人は勝ち続けられない
 3.ゲームと絶望と麻雀と介護
 4.目的と目標は違う
 5.ゲームに感謝

  • ■単に「勝つ」だけでなく「勝ち続ける」ための勝負哲学を語る

     17歳で「世界一」の称号を得て以来、頂点を走り続けているプロ・ゲーマー、梅原大吾氏が、これまでの半生を振り返りながら、自らの勝負哲学、人生哲学、具体的な練習法などについて語り尽くしている。
     単に"勝つ"だけでなく"勝ち続ける"ためには、勝って思い上がることなく、負けて卑屈にならず、冷静に勝敗を決したプラスの要素、マイナスの要素を分析することが大事だという。
     梅原氏は、決まった勝負スタイルを持たない。便利で簡単な技に頼ることもしない。相手の弱点をつくことも好まない。一つひとつの対戦から学び、ゲームの本質を理解して上達すべく努力しているからだ。どんな相手であっても、ルール変更や新制度導入があっても、本質的な「勝ち方」を知り、常にそれを磨くようにしていれば、トップをキープすることができる。変化を恐れるどころか、自分から変化への挑戦に飛び込んでいく姿勢こそが勝ち続ける秘訣なのだ。

  • ■既成概念にとらわれずに視点や角度を変えながら考え抜く

     梅原氏は、こんなたとえ話もしている。一羽の鳥が飛んでいるのを見て、「勝てない人」は「鳥は飛べるんだ」と思うだけ。「少しだけ勝てる人」は、「鳥は翼があるからとべるんだ」と考える。しかし「常に勝てる人」は、「なんで人間には翼がないんだろう」「翼がないと本当に飛べないんだろうか」「翼の代わりになるものはないのか」「そもそも空を飛ぶ必要があるのか」などと、縦横無尽に思考を巡らす。既成概念にとらわれずに視点や角度を変えながら考え抜く。正解でなくてもいいから、そして何らかの答えや新しい考えに"気づく"ことが大事。考えることをやめなければ、必ず出口は見つかり、自信を持つことができるということだ。
     また自分を変えるためのコツは「そうすることで良くなるかどうかまで考えない」ことだという。悪くなったらまた変えればいい。そうしたトライ&エラーを許容する柔軟な思考は、すべての人の「人生」という勝負のヒントになるものといえる。

  • ◎著者プロフィール

    日本人で初めて"プロ・ゲーマー"という職種を築いたプロ格闘ゲーマー。1981年青森生まれ。17歳にして世界一の称号を獲得。一時ゲームから離れていた3年間で、麻雀の世界でもトップレベルに。2010年4月、米企業とプロ契約を締結。同8月「世界で最も長く賞金を稼いでいるプロ・ゲーマー」としてギネス認定。「背水の逆転劇」と呼ばれる試合の動画再生回数は2000万回超。その勝負哲学はゲーム以外の世界からも賞賛を受けている。