『初速思考』 (金田 博之 著)

『初速思考』

『初速思考』 (金田 博之 著) 

著 者:金田 博之
出版社:日本実業出版社
発 行: 2013/07
定 価: 1,575円


【目次】
 1.経験と時間をムダにしない「1行」記録術
 2.ミスやトラブルを防ぎ「最低速度」を上げる
 3.成功パターンをかけ算して「最高速度」を上げる
 4.「初速」で一気に差をつける90日プラン
 5.最速で結果を生み出すチームの90日プラン

  • ■成功要因を次の行動につなげよう

     企業だけではなく、個人においても、スピード感覚の違いが結果の差を生む。本書は、外資系IT企業に勤務している著者の経験を通して、目に見える結果をすぐに出すためのスピード、すなわち初速を上げるための思考と行動法を紹介している。
     初速を上げるには、PDCAの中でも、多くの人が集中してしまいがちなP(Plan)ではなく、振り返る工程のC(check)を重視する必要がある。振り返りにウエイトを置き、C -> A -> P -> Dの順番で動くと、ふだん何気なく行動している経験がムダにならず、自ずと次の行動に落としこむことができるからだ。振り返るときには、克服するのに時間がかかる失敗よりも、成功した要因を掘り下げた方が効率的だ。成功要因は1行でもいいから言葉として記録し、アクションリスト化する。これが習慣化すれば、指示がある前に自然に行動できるようになるのである。

  • ■90日間のアクションプランで仕事を進める

     成功要因の1行記録を続けていくには、自分の感情を表す「感情ワード」と簡単な事実を記す方法や、すごいと思える人のスキルを言葉にして真似る、あるいは反面教師からの学びも分析して、将来のリスクに備えるという方法も効果的だ。振り返り自体を振り返る方法もモチベーションを維持しやすい。アクションリストを作成し、新たな学びがあれば随時更新する方法は、時間のロスを生み、スピードを低下させてしまうミスやトラブル対策として有効だ。
     ときには上司や同僚の意見を取り入れ、本を読み、第1級の人たちのセミナーに参加し、質疑応答や個別のやりとりによって、成功パターンの引き出しを増やすのもいい。こうした技術を身につけ、初速・加速・成功パターンの3つのフェーズに分けた90日間のアクションプランを設定して仕事を進めていくと、結果を出すまでのスピードは確実に上がる。

  • ◎著者プロフィール

    1975年生まれ。98年SAPジャパンに入社。マーケティング本部で社長賞受賞、29歳で異例の副社長補佐への抜擢をはじめ、30歳でSAPジャパン史上最年少で部長に着任、35歳で営業企画本部本部長に就任、36歳でチャネル営業を統括する責任者に就任するなど、「史上初」「史上最速」を代名詞に圧倒的な結果を残す。各国の人とともに働き結果を残した業績が認められ、グローバル全社70000人の上位2%にも7年連続で選出されている。