『新しいグランドシニアを目指そう!』

『新しいグランドシニアを目指そう!』

『新しいグランドシニアを目指そう!』 

著 者:長見 茂
出版社:日刊工業新聞社
発 行:2013/12
定 価:1,400円(税別)


【目次】
 1.洋上から訪ねた国々と世界遺産
 2.ものづくりに生きる経営の心

  • ■グランドシニアにとって世界一周クルーズは人生切り替えのための時間

     敬老の日に合わせて総務省から発表される人口推計では、2013年、70歳以上のいわゆるグランドシニア層は18%に達し、2020年の東京オリンピック開催時には22%に達すると予想されている。グランドシニア層はやがて人口の4分の1になろうとする大きなパワーなのである。本書では、45歳で起業し、74歳で現役を退くと社会人ドクターコースにチャレンジ、また自由な個人として105日世界一周クルーズに出かけた著者が、これまでを振り返ると同時に、これからの新しいグランドシニア時代をどのように過ごすべきかを模索する様子が描かれている。
     世界一周クルーズに参加するのはグランドシニア層が中心だ。船では毎夕、船内各施設で翌日に行われるイベントやサークル活動のスケジュール表が配信される。そこでは、夫妻でダンス教室に通い船内イベントで披露したり、抗加齢を考えて朝のラジオ体操や気功に参加して固くなった筋肉をほぐしたりなど、それぞれがこれからの人生の切り替えの儀式と受け止め、活動している。

  • ■産学連携の場への活用が期待されるグランドシニア

     世界一周クルーズに参加したグランドシニアの中には、仕事が好きでまだまだ働きたいという人も多く見受けられた。各人の多様な体験と、それぞれの分野で広く深く活躍してきた経験は代え難い貴重なものであり、将来を担う子どもたちや社会に巣立つ若年層にとっては良きアドバイザーになるだろう。
     著者が所属する日本技術士会では、科学技術教育の一環として小中高生に高度な技術を分かりやすく解説する授業を提案している。また、大学教育の場でも、理工学関係の授業には積極的に業界のエキスパートが招聘され、実業と研究活動のタイアップが促進されつつある。今後はそうした場に多くのグランドシニアが活用されることが期待される。そのためには行政や教育界と企業のタイアップが必要であり、また個々のグランドシニアも、自分の存在価値をアピールできるように、OBとして常に棚卸をして働きかけが出来るよう取り組むことが大事なのではないだろうか。

  • ◎著者プロフィール

    1938年広島県生まれ。1960年明治大学工学部機械工学科卒業後、日本建鐵に入社。1975年金型加工のNC化で開発期間短縮に取組み、技術士(機械)取得。1983年同社精機部長を退職後、ファソテック社を創立、代表取締役社長に就任。2012年同社相談役に退き、日本大学大学院生産工学研究科社会人ドクターコースに入学。著書に『やっぱりものづくりはおもしろい』などがある。日本技術士会千葉支部幹事なども務める。