『非学歴エリート』 (安井 元康 著)

『非学歴エリート』 ‐一流大学に入れなかった僕の人生逆転メソッド

『非学歴エリート』 (安井 元康 著) 

著 者:安井 元康
出版社:飛鳥新社
発 行:2014/06
定 価:1,389円(税別)


【目次】
1.「なりたい自分」の見つけ方
2.逆転のための羅針盤
3.逆転のための「会社」とのつきあい方
4.逆転のための「人」とのつきあい方
5.逆転のための勉強法

  • ■「学歴エリート」を逆転するスキルを徹底的な努力により身につける

     企業の第一線で活躍する“エリート”と呼ばれる人たちは、「一流大学」と世間で呼ばれる大学の出身であることが多い。しかし本書の著者は、中堅の私立大学出身であり、決して裕福とはいえない家庭に育ったにもかかわらず、ベンチャー企業を上場に導き、20代のうちに上場2社の役員を経験するなど、紛れもない“エリート”としての人生を歩んでいる。本書は、そんな「非学歴エリート」である著者が、自らの経験と信条、どのような努力をしてきたかを語っている。
     著者は大学入学直後から「実社会に出たら高学歴の人たちを逆転してみせよう」と、明確に意識したという。そして、アルバイト以外のすべての時間を「高学歴者に勝つためのスキル」を磨くことに費やした。そのスキルとは、英語と数値スキル(財務や会計)。英語については、日本では一流校を卒業していても英語ができない人が多いため、徹底的に身につければ学歴エリートに対抗できると考えたのだ。

  • ■「個」を強く意識し、組織の中で積極的にイニシアチブを握る

     大学卒業後はベンチャー企業に就職。その翌年に転職したMCJというベンチャー企業では、自ら志願して上場実務担当者になる。週6日、1日18時間労働というハードワークをこなしながら1日3時間の勉強も続けた。
     著者の基本的な考え方は「『個』としての目標をしっかりと定め、その時点から圧倒的に努力する」こと。会社や組織のための目標ではなく「自分はこういう人間になりたい」と強く思うことだ。その目標を肚にすえたら、不要なことは一切やらない。息抜きも最小限にする。それだけで成功できると著者は明言する。
     組織の歯車になることは否定しない。ただし回される「小さな歯車」ではなく、周りを回す「大きな歯車」をめざすべき。組織の中で積極的にイニシアチブを握り、仕事の流れをコントロールする。組織で「個」を貫くためには、既存の仕組みの空白を見つけ、自ら動いてそれを埋めることで自身のポジションを確立すべきということだ。

  • ◎著者プロフィール

    経営共創基盤(IGPI)ディレクター。1978年東京生まれ。明治学院大学を卒業後、GDH(現ゴンゾ)に入社。翌2002年MCJに転職。IPO実務責任者として東証マザーズヘ上場達成後26歳でCFO(執行役員・経営企画室長)に。その後ケンブリッジ大学大学院でMBA取得。2007年にIGPIに入社、4年弱でディレクターに(同社最年少)。2008~2010年にはぴあ(株)財務担当執行役員を務める。金融庁非常勤職員(専門調査員)。