『クラウドソーシングでビジネスはこう変わる』(吉田 浩一郎 著)
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■新しい業務委託スタイルであるクラウドソーシングの仕組みと可能性を探る
インターネットを用いて不特定多数のクラウド(群衆)に業務を委託する「クラウドソーシング」という新しいタイプのアウトソーシングが注目を集めつつある。本書では、日本最大級のクラウドソーシングのプラットフォーム企業「クラウドワークス」の創業者が、クラウドソーシングの仕組みや特色、現状と課題等について詳細に解説している。
クラウドソーシングのメリットは「早い」「安い」「質が高い」ことだという。「早い」とは、企業がワーカーを募集し、契約に至るまでのスピードのこと。クラウドワークスの実績では最短15分だ。「安い」というのはコストのこと。発注相手が個人であるため、通常の外注より5分の1から10分の1ほどで済む。そして「質が高い」とは、仕事の質を事前にある程度把握できるということ。プラットフォームの多くが、各ワーカーについて過去の発注者から評価がつくシステムを導入しているからだ。 -
■企業には「もたざる経営」を、個人には「個」としての生き方をサポート
クラウドソーシングが広まると、企業の業務のあり方とともに、人々の「働き方」に対する考え方が変わってくるはずだ。
企業はこれまで以上に「もたざる経営」を進めていかなければならない。変化にスピーディに対応するためには、内部に資産を抱えすぎることは禁物だからだ。その「もたざる経営」の実現をクラウドソーシングがサポートする。また、クラウドソーシングでは、社外から幅広いアイディアやセンスを調達することが可能なため、イノベーションを生みだしやすくなる。さらに、小規模なプロジェクトで試行錯誤を繰り返すことで、優れた成果をめざすことも容易になる。
今後は、長年にわたり1社に所属して働くというスタイルが最良の選択肢ではなくなる。「個」として、自らの希望や経験に応じて働き方を選ぶことが当たり前になっていく。その仕事の新しい価値観を支えるインフラとなるのがクラウドソーシングなのだ。 -
◎著者プロフィール
クラウドワークス代表取締役社長兼CEO。1974年生まれ。東京学芸大学卒業後、パイオニア、リードエグジビションジャパンを経て、株式会社ドリコムの執行役員として参画。東証マザーズ上場を経験した後に独立し、2011年11月、株式会社クラウドワークスを創業。クラウドソーシングサービスを提供する日本のリーディングカンパニーとして急成長を遂げ、現在、上場企業をはじめとする3万社以上が同社のサービスを活用している。