『コーチング・アクロス・カルチャーズ』  -国籍、業種、価値観の違いを超えて結果を出すための七つの枠組み(フィリップ・ロジンスキー 著)

『コーチング・アクロス・カルチャーズ』  

『コーチング・アクロス・カルチャーズ』  -国籍、業種、価値観の違いを超えて結果を出すための七つの枠組み(フィリップ・ロジンスキー 著) 

著 者:フィリップ・ロジンスキー
訳 者:山内 麻理
出版社:プレジデント社
発 行:2015/01
定 価:2,500円(税別)


【目 次】
Introduction 文化を超えたコーチング
1.コーチングと文化
2.文化の違いを活用する

  • ■国籍・民族、職種、価値観の異なる同士が最大の能力を拓くコーチングを紹介

     グローバリゼーションや業務の複雑化などにより、社内や、社外とのパートナーシップで、文化の異なる人と協働しなくてはならない場面は、今後ますます増えていくものと予想される。本書では、国籍や民族、職種、以前の業種・経験などが異なる者同士のチーム、あるいは個人の能力向上をめざすコーチングの考え方と具体的なメソッドを紹介している。
     従来のコーチング論やリーダーシップ論は欧米の価値観が強く反映されており、文化の違いが考慮されていないものが多かった。「自文化中心主義」から脱せていなかったのである。自文化中心主義から、個々の違いを認め、それを活用する「文化相対主義」に移行していくためには、7段階を踏む必要があると著者は説く。その最初の3段階「違いを無視する」「違いを認識するが、否定的に評価する」「違いを認識するが、その重要性を最小化する」までは、自文化中心主義の中にとどまっている。

  • ■てこ(レバレッジ)の原理のようにインプットより大きなアウトプットを出す

     四つめの段階は「違いを認識、受容する」。規範や信念など、目に見えない文化の深い層も含め尊重し、正しく評価する。第5段階は「違いに順応する」。これは、自らのふるまいを他の文化に合わせることだ。この段階では、慣れ親しんだ世界から一歩外に踏み出す必要がある。
     第6段階は「違いを統合する」。この段階では、自分の心の中に、文化の違いに由来するこれまでなかった枠組みがつくられる。それによって、一つの状況を、さまざまな角度から見ることができるようになる。
     最後の段階は「違いを活用(レバレッジ)する」。てこ(レバレッジ)の原理のように、インプットより大きなアウトプットを出す。すなわち、文化を最大限に統合し、新たな能力を獲得するということだ。著者の担当したあるコーチングでは、スウェーデン人の部下を持つことによって、その文化の長所を取り入れ、指導力のレパートリーを増やすことができたという。

  • ◎著者プロフィール

    ロジンスキー&カンパニー代表。コーチングへの国際的アプローチ法の先駆者。ブリュッセルのエコール・ポリテクニックで電気機械工学士、スタンフォード大学大学院で工学修士、ソルベイ・ビジネススクールで経営学修士を取得。 エグゼクティブ・コーチング、チーム・コーチング、グローバル・リーダーシップ・デベロップメントの分野において世界中の優良企業を顧客に持つ。日本のビジネス・ブレークスルー大学大学院でも教鞭を執る。