『シニアビジネスの新しい主役 Hanako世代を狙え!』(伊藤忠ファッションシステム“この先シニア”共同研究プロジェクト 著)
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■情報誌片手に旺盛な消費欲をもつ「次のシニア世代」の生活・行動志向を分析
超高齢化に一直線に進む日本にとって、シニアビジネスは経済の活性化のみならず、高齢者が心豊かに健康で幸福な生活を送るためにも推進すべきものといえる。そのため本書では、近い将来にシニアビジネスのターゲットとなる世代を調査し、その生活志向を分析している。
本書では、現在シニアビジネスの対象となっている“今どきシニア”(団塊世代)の次の“この先シニア”を、「Hanako世代」と名づけている。1959年から1964年生まれの「バブル世代」「新人類」と呼ばれた世代だ。若い頃には当時人気の雑誌「Hanako」を片手に旺盛な情報収集力と消費意欲を発揮した世代である。
団塊世代のシニアは「生涯現役」をモットーに老化防止(アンチエイジング)に励む。一方Hanako世代は「生涯主役」であり、「年齢不詳(エイジレス)」をめざしている。Hanako女性は「しおれない」「咲き続ける」という意識をもっているのである。 -
■いつまでも「自分が主役」で輝いていたい「Hanako女性」
Hanako世代は、子ども時代に日本が豊かになるプロセスを何となく見てきている。塾通いや、ピアノ、お習字などの習い事も流行し、親からは大事にされて育った。高校から大学にかけて、ハマトラ、「JJ」スタイルなどのファッションが流行。女子大生ブームもあり、ちょっとかわいい女子はやたらとチヤホヤされた。こうしたチヤホヤ経験が、Hanako女性の原体験であると、共同研究プロジェクトは分析する。この頃に培われた「自分が主役」で「輝きたい」意識は、シニアになっても抜けないのだ。
一方、Hanako世代が就職するときは男女雇用機会均等法施行の前後。キャリアウーマンという言葉が生まれるなど、女性の視点や感性が注目され始めた頃でもある。
今でも多様な仲間関係、友人関係の交わりを楽しんでいるのもHanako世代の特徴だ。血縁や仕事の関係だけでなく、趣味や価値観が似ている者同士のつき合いが、前世代よりも多くなっている。 -
◎著者プロフィール
“生活者の気分”に注目した、独自の「ファッションマーケティング」の手法を活かし、リサーチから戦略設計、ソリューション提供まで、一貫したサービスを行う伊藤忠ファッションシステム(株)が年に一度か二度立ち上げる共同研究プロジェクトの一つで、2013年末から2014年にかけて活動した。参加企業は、KDDI、KDDI総研、サントリー食品インターナショナル、サントリーフーズ、ファミリーマート、富士重工業。