『幸福優位7つの法則』 (ショーン・エイカー 著)

『幸福優位7つの法則』  ‐仕事も人生も充実させるハーバード式最新成功理論

『幸福優位7つの法則』  (ショーン・エイカー 著) 

著者:ショーン・エイカー
出版社:徳間書店
発行:2011/08
定価:1,680円


【目次】
1.職場におけるポジティブ心理学
2.幸福優位7つの法則
3.幸せの波及効果

  • ■「成功するから幸福」ではなく「幸福だから成功する」

     ほとんどの人は、ビジネスやプライベートにおいて「成功」するためには、苦労や努力をしなければならず、その結果として「幸福」をつかむものだと思っている。しかし、それはじつは逆であり、人は「幸福に感じるから成功する」というのが本書の主張だ。幸福感や楽観主義が先に立つことが成功の可能性を高めるということを、著者自身をはじめとする多数の科学的研究をもとに検証、その結果見えてきた7つの法則を解説している。
     本書のベースにあるのは「ポジティブ心理学」の理論。精神疾患の治療や人間の弱さにスポットをあてる従来の心理学ではなく、人の長所や強みからどのように人生を充実させるか、をテーマにする新しい心理学だ。本書で解説されている「7つの法則」とは(1)ハピネス・アドバンテージ、(2)心のレバレッジ化、(3)テトリス効果、(4)再起力、(5)ゾロ・サークル、(6)20秒ルール、(7)ソーシャルへの投資、である。

  • ■ポジティブ心理学を実践するための7パターン

     「ハピネス・アドバンテージ」とは、ポジティブな脳は平常時やネガティブな脳に対して生物学的な優位性を持っており、脳を訓練して積極性を高めることによって生産性を高めることができる、ということ。「心のレバレッジ化」とは、「自分が持っていると信じる潜在的能力や可能性」をてこの「長さ」として確保し、「変化を起こす力を生じさせるマインドセット」を「支点」として動かせば、大きな力を得られるということだ。
     「再起力」は、失敗や苦難からポジティブな考えを引き出すこと。「テトリス効果」では、脳がポジティブな考えを習慣づけること、「ゾロ・サークル」では、小さな目標の達成から次第に目標を拡大していくことの重要性をそれぞれ解説する。「20秒ルール」とは、望ましい行動を習慣にするための障壁を取り払う工夫のこと。そして「ソーシャルの投資」では、人間関係を大事にし、それを推進力とすることを推奨している。

  • ◎著者プロフィール

    コンサルティング会社「グッドタンク」代表。ハーバード大学修士号。ハーバード大学で学生の評価が最も高いポジティブ心理学講座をタル・ベンシャハー博士のもとで担当し人気講師に。自ら設立したグッドタンクでは、グーグル、マイクロソフト、ファイザー、UBS、KPMGなどの著名企業で成功と幸福の関係についての実証研究を行いながら、世界45ヵ国で講演やレクチャーを行っている。