『売れないものを売るズラしの手法』 (殿村 美樹 著)

『売れないものを売るズラしの手法』

『売れないものを売るズラしの手法』 (殿村 美樹 著) 

著 者: 殿村 美樹
出版社: 青春出版社
発 行: 2012/12
定 価: 1,400円


【目次】
 1.「ズラし」の手法で、あのブームは起きました
 2.「人」をズラせば、思いがけないニーズが生まれます
 3.「場所」をズラせば、新しいお客様に出会えます
 4.「時」をズラせば、商品が生まれ変わります
 5.ズラせば時代の必需品になれる! 世界も変えられる!

  • ■商品を「時代の必需品」にする方法

     かつて香川県の一部地域に埋もれていた食文化「セルフうどん」に「新時代の観光」という光を当てて、売る「人」を地元の人から観光客にズラしたことで、讃岐うどんは一大ブームを巻き起こした。
     「売れないモノ」に新しい光を当てることで、売れるようにする「ズラす売り方」で、著者は数々のヒット商品・ブームを作ってきた。モノの原型を変えずに、時代の価値観に合わせて「人」「場所」「時」の方向から新しい光を当てるだけで新しい販路を開拓する。また、「ほんのちょっとズラす」だけで、新しい価値観を生み出し、新たな光を浴びている事例がたくさんある。
     本書は、PRの専門家として25年以上にわたり、地方に埋もれた魅力を発掘して全国へ紹介する仕事をしてきた著者が、いまある商品を変えることなく、リニューアルすることもなく、それほどお金を使うこともなく、たちまち売れる方法をおよそ20種類の成功例とともに伝えている。

  • ■なぜ、「ズラす」と商品は甦るのか?

     これまで買い続けてくれた顧客が振り向いてくれなくなったからと言って、新しい販路を開拓しようとしてもうまくはいかない。商品を買い続けてくれた顧客を見捨てて全く新しい顧客を探すことは、真っ暗な夜道をさまようのと同じことだ。売れなくなったのには、何か理由があるはず。その理由を探り出して、これまでの顧客を軸に、少しだけ売り方をズラすだけで解決策は見つかる。
     商品そのものを変えることなく、使う人、使う場所、使う時をズラすことで売れる仕組みを整え、商品を復活させることができるのは、人が求める本質は変わらないからである。本質は変わらないまま新技術によって新しい付加価値を持ち生まれ変わった「新商品」は、社会の流れを変えていく。そんな中で、大半の企業が悩む「なかなか売れない」の正体は、新技術によって塗り替えられる人々のライフスタイルや考え方に追い付いていけないということである。だからこそ、「人」「場所」「時」をズラす方法が効果を発揮するのだ。

  • ◎著者プロフィール

    株式会社TMオフィス代表取締役・PRプロデューサー。関西大学社会学部広報論講師、中小企業基盤整備機構経営支援アドバイザーも務める。いまや大ブームとなっているご当地グルメの先駆け「佐世保バーガー」、ゆるキャラ「ひこにゃん」のヒット、香川県のサイトのサーバーをパンクさせた「うどん県改名」など、すべて「ズラす」手法で成功させてきた凄腕を持つ。2010年にはPRアワードグランプリでソーシャル・コミュニケーション部門最優秀賞を「畳新市場開拓プロジェクト」で受賞。