『最強のビッグデータ戦略』 (ビル・フランクス 著)
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■データ分析(アナリティクス)を駆使することが成功につながる
好むと好まざるにかかわらず、大量のデータ(ビッグデータ)が押し寄せてくる時代が間もなくやってくる。データを環境に取り込み、アクセス、分析できる形式にまとめることが要求されることになる。だが、データは、分析して行動に結びつけなければ何の価値も生まれない。多くの企業は、よりよい分析と意思決定という形でデータから価値を引き出すことなく、何年もの間データ管理に忙殺されてきている。
本書では、ビッグデータ管理の話題を扱うというよりも、ビッグデータの効果的な分析を正面から取り上げている。データからスタートし、意思決定の枠組みをどのようにして作るか、アナリティクスセンターをどのようにして作るか、アナリティクスの企業文化をどのようにして作るかといった問題が隈なく取り上げられている。さらに、入力されたデータを活用するアナリティクスの実践を作り、組織し、人員を集め、運営していく方法がわかりやすく説明されている。 -
■優れた分析の要素とは
本当に価値のある分析をするためには、複数の要素を重なり合わせる必要がある。優れた分析は「G・R・E・A・T」の基準を満たしていなければならない。
「G」とはGUIDED、「ニーズに導かれていること」。優れた分析は、ビジネスのニーズに導かれている。「R」とはRELEVANCE、「ポイントを押さえていること」。解決しようという問題は、ビジネスが解を必要だと感じているものでなければならない。「E」はEXPLAINABLE、「理解できること」。分析結果を行動につなげる人々に効果的に説明されなければならない。優れた分析は、説明しやすく、説明された人が利用しやすい。「A」はACTIONABLE、「行動につなげられること」。問題に対処するための行動指針を示せないような分析は、ノイズに過ぎない。そして「T」は、TIMELY、「タイムリーなこと」である。優れた分析は、意思決定を下さなければならないときに間に合うように提出されなければならない。 -
◎著者プロフィール
テラデータ社のグローバル・アライアンス・プログラムの最高アナリティクス責任者。またテラデータとSASが共同でサポートしているビジネス・アナリティクス・イノベーションセンターも統括し、さらに、テラデータが取るべき戦略や位置付けの意思決定も助けている。同氏は、アナリティクスのトップエキスパートであるトム・ダベンポートが設立したインターナショナル・インスティテュート・フォー・アナリティクスで客員研究員でもある。