『ともに戦える「仲間」のつくり方』

『ともに戦える「仲間」のつくり方』

『ともに戦える「仲間」のつくり方』 

著 者: 南 壮一郎
出版社: ダイヤモンド社
発 行: 2013/03
定 価: 1,575円


【目次】
 1.「まずは巻き込まれる」ことで見えた新たな夢
 2.1000の否定の先にいた「最初の仲間」
 3.一瞬の出会いにすべてを賭ける
 4.ひとりよがりではなく、仲間と決める
 5.崩壊寸前のベンチャーを救える最強の仲間
 6.最高の仲間は、実は近くにいる
 7.仲間がチームになった真夜中の「ビズリーチ・タイム」
 8.仲間とともに、次の夢へ

  • ■起業までのストーリーを追いながら「仲間」の力について論じる

     成功した起業や新規事業立ち上げにおいては、それを牽引する優れたリーダーだけでなく、ともに同じ目標に向かう「仲間」たちが必ず力を発揮している。本書では、日本初の求職者課金型の転職サイト「ビズリーチ」を創業した著者がその過程を辿りながら、「仲間」のつくり方、どのように「仲間」の力を引き出すかなどについて、自らの経験のなかから学んだことを紹介している。
     2007年、新規事業を志した著者はさまざまなジャンルの人に会って情報収集を行い、自身の転職活動からもヒントを得て「ビズリーチ」のアイディアに辿り着く。そして、米国の同業企業の社長にニューヨークまで会いに行くなどして事業計画をまとめた後、「仲間」探しを始めることになる。しかし、待っていたのは拒絶ばかり。著者は後に、拒絶の理由は「自分一人でやろうとしていたこと」だったと気づくようになる。自分を「手伝ってくれる人」を探す、という意識に問題があったのだ。

  • ■「自分一人で」の意識を捨て、「できる仲間」に任せることが重要

     何百人もの人に自身の構想を伝え続けるなかで、最初の理解者、佐藤和男氏に出会う。「自分一人で」という意識に対する反省があった著者は、自らの考えを話すとともに、佐藤氏の想いや抱えている課題にも耳を傾けた。こうした相互関係が信頼を生み「仲間」となることができた。著者と佐藤氏の性格や価値観、行動パターンは正反対だったが、その「違い」こそがパワーになった。
     その後、著者は次々に多様な「仲間」を引き入れ、2009年4月、ついに「ビズリーチ」を開設する。それまでの道のりは平坦ではなかった。一時は崩壊の危機さえあったのだ。が、その危機を乗り越えたことで著者は「任せ合う」ことの重要性を悟ることができた。仲間から信頼を勝ち得るためには、自分が「できないこと」も認めなくてはならない。「自分にはできないことがある。だけどこの部分なら誰にも負けない。だからできないことはできる仲間に任せよう」と考えるべきなのだ。

  • ◎著者プロフィール

    株式会社ビズリーチ代表取締役兼株式会社ルクサ代表取締役。1976年生まれ。1999年、タフツ大学を卒業後、モルガン・スタンレー証券に入社。2004年、プロ野球球団・楽天イーグルスの創業メンバーに。GM補佐、ファン・エンターテイメント部長などを歴任する。2007年楽天を退社し、株式会社ビズリーチを設立。2009年、転職サイト「ビズリーチ」を開設。2010年、高級商材に特化したタイムセールサイト「LUXA(ルクサ)」を立ち上げる。