『トータル・リーダーシップ 世界最強ビジネススクールウォートン校流「人生を変える授業」』
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■人生を構成する「四つの領域」すべての充実をめざす
全米トップクラスのビジネススクールであるペンシルバニア大学ウォートン校。本書では、その人気教授の一人である著者が開講する授業「トータル・リーダーシップ」の内容を紹介している。
トータル・リーダーシップでは「仕事」「家庭」「コミュニティ(地域社会)」「自分自身」といった、一人ひとりの人生を構成する「四つの領域」の調和をとり、そのすべてを充実させる「四面勝利」をめざす。リーダーシップとワーク・ライフ・バランスを融合し、"人生全体"をプラスの方向へ導く新しいアプローチだ。
トータル・リーダーシップを身に付けるためのエクササイズは、「(1)Be Real」「(2)Be Whole」「(3)Be Innovative」という3原則に基づいている。(1)は自分の価値観に基づくビジョンを抱く、(2)はそのビジョンに向けてまわりを巻き込む、(3)はビジョンの実現に向けて行動することである。 -
■チャートや図を作成し、それをもとに「行動」してみる
エクササイズの最初の段階では「あなたのストーリー」づくりが課される。これまでの人生で起こった重要な出来事と、15年後の未来予想をもとに「ストーリー」をつくる。そのことにより、自分はどういう人間かを認識し、どうなりたいのかというビジョンを描くことができる。
そして四つの領域それぞれの重要度と、実際に費やしている時間とエネルギーをチャートにしたうえで各領域を円にした図を描いてみる。これらの作業により現状と目標とのギャップを把握するとともに、各領域同士の関係を探ることができる。
また、各領域において、ステークホルダー(利害関係者)と呼ぶ、もっとも重要と考えられる人物を特定し、彼らから期待されていること、彼らに期待していることを表にしてみる。そこまでできたら、それまでの作業をもとに「行動」に移ることができる。ビジョンに基づき「実験」を行い、検証を繰り返していくのだ。 -
◎著者プロフィール
ペンシルバニア大学ウォートン校教授。1984年より同校で教鞭を執る。マネジメント部門の初代実践教授に就任し、同校のリーダーシップ・プログラムおよびワーク・ライフ・インテグレーション・プロジェクトの創設者となる。これまでホワイトハウスの歴代政権や国連、米軍などさまざまな組織や企業幹部にコンサルティングを行う。リーダーシップ、人的ネットワークなどについてワークショップを開く傍ら、世界中で講演を行っている。