『トヨタの片づけ』((株)OJTソリューションズ 著)

『トヨタの片づけ』

『トヨタの片づけ』((株)OJTソリューションズ 著) 

著 者:(株)OJTソリューションズ
出版社:中経出版
発 行:2012/11
定 価:1,365円


【目次】
 1.トヨタ流「片づけ」で仕事が変わる! うまくいく!
 2.ムダを減らすトヨタの「整理術」
 3.仕事を効率化させるトヨタの「整頓術」
 4.トヨタ流片づけが「習慣化」する方法

  • ■「5S」の方針のもと、片づけを習慣にすることを全社員に徹底

     独自の経営手法で世界的に知られるトヨタには「片づけ」の文化が浸透している。本書では、効率性アップ、コスト削減などにつながり、業績向上に貢献するトヨタ流「片づけ」の考え方、方法を具体例とともに解説している。
     トヨタには、「整理(Seiri)」「整頓(Seiton)」「清掃(Seisou)」「清潔(Seiketsu)」「しつけ(Shitsuke)」からなる「5S」という、職場環境を維持・改善するための方針がある。このなかでも特に重視されている「整理」「整頓」が、本書のテーマである「片づけ」だ。トヨタの片づけの定義は「いるもの」「いらないもの」を峻別してムダをなくすとともに、「必要なもの」を「必要なとき」に「必要なだけ」取り出せるようにすること。トヨタでは、片づけを、単に身の回りをキレイに清潔に保つというだけでなく「仕事の一部」として捉え、習慣的に行うことを従業員全員に徹底させている。

  • ■「いつまでに使うか」という期限を決め、その日が来たら捨てる

     「整理」するために「いるもの」と「いらないもの」を峻別する際、「いらないもの」を判断するのは意外と難しい。トヨタでは次のような方法が実践されている。
     身のまわりのものを「(1)いま使うもの」「(2)いつか使うもの」「(3)いつまでたっても使わないもの」に分け、(3)はすぐに捨てる。(2)については「いつまでに使うか」という「期限」を決め、その期限が来たら(3)に移し、捨てる。ここでのコツは「期限」をできるだけ間近な時に設定することだ。
     「整頓」は、「人の動き」をもとにモノの置き場を決めることから始める。トヨタでは、かがんだり、振り向いたりする動作を極力少なくし、体の負担を減らすような整頓も心がけている。また、「○丁目○番地」などモノの置場の住所を決める、整理・整頓された状態を写真に撮って貼っておくなど、さまざまなアイデアを捻出することにより、他の業務でも役立つ「気づき」を得る習慣もできてくる。

  • ◎著者プロフィール

    2002年4月、トヨタ自動車とリクルートグループによって設立されたコンサルティング会社。本社は愛知県名古屋市。トヨタ在籍40年以上のベテラン技術者が「トレーナー」となり、トヨタ時代の豊富な経験を活かしたOJT(On the Job Training)により、現場のコア人材を育て、変化に強い現場づくり、儲かる会社づくりを支援する。主な著書に『トヨタの口ぐせ』、その続編『トヨタの上司』(共に中経出版)がある。