『ビジネスは30秒で話せ!』 ‐短く、魅力的に伝えるプレゼンの技術(ケビン・キャロル/ボブ・エリオット 著)
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■短い時間で簡潔、論理的に話をするためのコツや技術を紹介
プレゼンや商談、会議や社内連絡などで、長時間話をしても相手に言いたいことが伝わらない経験は誰しもあるものだ。本書では、短い時間で簡潔、論理的に話をする技術を具体的に紹介している。
コミュニケーションの達人をめざすには、普段から自分の考えを一口サイズにしておくといい。また、聞き手のWIIFMを明確に示すようにすれば、自分の話の説得力が増す。WIIFMとは、“What's in it for me ? ”の略。訳せば、「私にどんなメリットがある?」となる。人間は無意識にでも自分の利益になることを求めている。
ニューヨークの動物園に「動物たちが怖がるので、場内を走ったり騒いだりしないで」という注意書きがあったが、ほとんど効果がなかった。やがてその注意書きの下に「動物たちが怖がると隠れてしまって、見ることができなくなってしまいます」という文言が加えられると騒ぐ人はぐんと減った。これがWIIFMである。 -
■「始め・中・終わり」で構成される「ダイヤモンド・モデル」
著者は、プレゼンなどに使える「ダイヤモンド・モデル」を提唱している。話を「始め・中・終わり」で構成し、中間部分を三つのサブトピックスに分けてふくらませる。話の要素の配置がダイヤモンド形にまとまることから名づけられた。この構成を常に意識することで論理的に話せるようになる。
「始め」の部分では、聞き手の注意を引いた後に、話のメインテーマを明確な言葉で簡潔に提示する。
「中」の部分ではまず、三つのサブトピックスを紹介する。そしてそれぞれのサブトピックスを論理的に話す。話し終えたら、もう一度「第一は…、第二は…、第三は…」というようにまとめる。
「終わり」の部分では、「始め」の部分で述べた、この話のメインとなることを再度表明。全体を通して何が言いたかったのか、WIIFMを含めてはっきりと言う。そして最後に聞き手に具体的に何をしてもらいたいか、というアクションプランを示し、締めくくる。 -
◎著者プロフィール
ケビン・キャロル:広告業界で17年間キャリアを積んだ後、1996年にスピーチコンサルティング及びトレーニング会社を設立。IBM、メリルリンチ、ユニリーバ、シスコシステムズ等を顧客に持つ。フォーダム大学MBA取得。
ボブ・エリオット :コミュニケーション・コンサルタント。ファイザー、シグナ、ウェスティングハウス等の大企業でキャリアをスタートするが、1982年にコミュニケーション・コンサルタントに転身。GE、マスターカード、ウォルマート等を顧客に持つ。