『世界のエリートの「失敗力」』 (佐藤 智恵 著)
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■手痛い失敗を経験してはじめて世界のエリートになれる
一流のグローバル組織では、失敗した人が高く評価される。手痛い失敗をしてこそ世界のエリートになれるともいえる。人間を大きく成長させてくれるのは失敗体験であり、失敗から学び、立ち上がり、挑戦し続けることのできる人こそ、グローバルリーダーにふさわしいからだ。
本書は、ハーバードやスタンフォードなど世界最高峰の経営大学院が、受験課題やカリキュラムでいかに「失敗体験」を重視しているかを詳述するとともに、マッキンゼー、ボストンコンサルティンググループ、グーグル、トヨタ、ソニー、電通など一流グローバル企業で活躍しているエリート社員たちの赤裸々な失敗体験を紹介し、それが彼らの成長の糧となったことを例証している。執筆にあたって世界の13の経営大学院と12名のエリート社員を取材した著者自身、NHKのディレクター時代に大きな挫折を経験しており、その苦い経験も交えながら、失敗から学ぶことで得られる「力」の大きさ、また重要性を語る。 -
■大きな失敗体験が、大きな成功への近道となる
「だれも、君と仕事をしたくないと言っている」
世界的な経営コンサルティング会社でプロジェクトリーダーをしていた女性は、役員からこう言われて解雇された――。
「これはマッキンゼーのクオリティではありません」
自信たっぷりにプレゼンをしていた若手社員は、クライアントの面前で、同席した上司からプレゼンの未熟さを指摘された――。
優秀な人間ほど傲慢になりやすい。そしてその傲慢さが手痛い失敗を生む。しかし、失敗によって深く悩み、自分を考察することで謙虚さを学んだ人間は、一気に人間力を高める。孤立、挫折、解雇……。グローバル企業で成功しているリーダーは、そこに至る過程で大きな失敗をしている人が多い。小さな成功を積み重ねていくことは、自信につながり、それが大きな成功をもたらすように思えるが、実は、大きな失敗体験こそが大きな成功への近道であるのも、また真実なのだ。 -
◎著者プロフィール
1970年生まれ。東京大学教養学部卒業後、NHK入局。報道番組や音楽番組のディレクターとして7年間勤務。2000年コロンビア大学経営大学院留学、MBA(経営学修士)取得後、ボストンコンサルティンググループ入社。経営コンサルタントとして、通信・メディア分野を専門に様々なプロジェクトに携わる。2012年に独立してコンサルタント活動およびビジネス書作家として執筆活動を行う。2004年よりコロンビア大学経営大学院の面接官も務めている。